毎月分配型投資信託は非効率?
人気のファンドに毎月分配型投資信託があります。グローバルソブリンオープンなどが代表的ですね。ここでは、毎月分配型ファンドというもののしくみやその投資効率について分かりやすく説明していきます。(H21.3月)
毎月分配型投資信託の基本的なしくみ
毎月分配型の投資信託は投資対象が株式であっても債券であっても毎月分配金を投資家(受益者)に対して支払うように決められている投資信託です。日本で最も売れている毎月分配型ファンドはグローバルソブリンオープンですが、日本で販売されている投資信託のランキングを見ると上位がこうした毎月分配型のファンド(または隔月分配型のファンド)となっています。
しかし、ネットなどで検索してみるとグローバルソブリンオープン(毎月分配型)をはじめとして多くの毎月分配型投資信託に対して否定的な見方が多くなっています。
毎月分配型投資信託が非効率といわれる理由
毎月分配型の投資信託が非効率といわれる点は以下の通りです。
- 分配金支払いのためファンドは常にキャッシュポジションを持つ必要がある
- 毎月分配型のファンドは元本部分から分配金を出すことができる
(1)については例えばファンドとして100億円の資産を持っていたとします。このうち毎月分配金として1%を拠出するという場合、最低でも1億円は現金にしておく必要があります。また、こうした毎月分配型のファンドはオープン型ですので、解約などに備えたキャッシュも保持しておく必要があります。
ファンドから見ればそうした「分配金にまわすためのキャッシュポジション」というものは、ファンドとしての収益性をもたらさない、資金となります。年1回配当型の場合は年度末だけ換金しておけばよいのでそれだけ効率的な運用が可能になるというわけです。
次に、(2)についてですが、毎月分配型のファンドは、通常債券などの利子を配当の原資にしていますが、こうした債券は年に1回または2回の配当しか行われません。そのため、毎月分配というスキームからみればラグが生じますので、こうしたファンドは特別に一定の範囲内であれば、元本部分を配当として出すことが認められています。
グローバルソブリンのデータを引用しますと、07年1月5日のグローバルソブリンの基準価格は「8112円」となっています。07年は毎月40円の配当が行われましたので、480円の配当金が出たことになります。利率ベースに直すと5.91%とかなり高利回りで運用できたことになります。
しかし、こうしたファンドは元本からの分配も可能ですので基準価額の推移も見ていきます。同年1月5日の基準価額は8112円でしたが、翌年08年1月4日のグローバルソブリンの基準価額は7814円となっています。つまり、基準価額298円分減少しています。
これもあわせて考えますと、配当収入額は182円となり、残りの298円は元本部分が償還されたに過ぎません。こうなると利回りは2.32%にまで下落します。
毎月分配型のファンドはどういった人に向いているのか?
上記で説明した問題についてですが、この面だけで毎月分配型のファンドはNGというわけではありません。私個人の見解としては、投資したい人はすれば良いし、したくないならしないといいというのが判断です。上記のように問題はありますが、グローバルソブリンなどの毎月分配型のファンドをある程度のまとまった金額を持っておけばそれなりの収入にはなります。
個人的に考える毎月分配型ファンドが向いている人は以下の通りです。
- 定期収入が無い人(または少ない人)
- 資産を殖やすという考え方よりも資産を活かして生活したい人
つまり、ある程度まとまった資産を持っていて仕事をすでにリタイアしている人の生活資金として毎月分配型ファンドは向いていると考えます。こうした方は、何十年も掛けて複利効果で資産を倍増させようというよりも、年金等の収入の補完的役割として分配金を活用することができます。
対して、毎月分配型ファンドが向いていない人は以下の通りです。
- 資産運用に積極的な人
- 若年層の人
- 定期収入だけで十分に暮らせている人
つまり、働き盛りで「資産形成期」にある人は毎月分配型ファンドはオススメしません。投資効率が若干悪く、投資している資金を再投資せずに元本部分まで償還してしまうような毎月分配型の投資信託よりも、複利効果が活かせる累投口の投資信託の方が向いていると考えます。
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