分配金に対する税金
投資信託の収益の配分である分配金(収益分配金)についても所得ですので、当然得た額に応じて税金がかかってきます。ただし、投資信託の分配金は個別元本と基準価額によって「普通分配金」と「特別分配金」に分けられ特別分配金については非課税となっています。
なお、分配金・特別分配金の規定が適用されるのは「株式投資信託」です。「公社債投資信託」の場合は、適用されませんのでご注意ください。
分配金(収益分配金)の種類
分配金は税務上「普通分配金」と「特別分配金」に分類されます。ちなみに、分配金を支払うファンド側が普通分配金や特別分配金という分配方法をとっているわけでなく、この分類はあくまでも日本の所得税法上の分類です。ファンド側が支払う分配金に違いはありません。
普通分配金
普通分配金に対しては、20%の源泉所得課税が行われます。分配金の金額が1口200円の場合、20%分の税金である40円が差し引かれた160円を受け取る形になります。この際、後日確定申告をする必要はありません。
特別分配金
特別分配金は、自分がその投資信託を取得した際の価格である「個別元本」よりも、そのファンドの時価(純資産額)である「基準価額」の額のほうが低い場合(保有する投資信託に含み損が発生している場合)、その差額の範囲内で支払われる分配金が特別分配金となります。
個別元本と特別分配金
特別分配金については、少し難しいので改めて説明します。
まず、いくつか用語がでてくるので、簡単に解説します。
基準価額・・・ファンドの時価。現在価格のこと。
個別元本・・・あなたがそのファンドを取得した時価のこと。
例えば、現在の基準価額が9800円のファンドがあるとします。これをあなたは以前、基準価額10000円のときに購入していました。つまり、個別元本は10000円になります。
現在の基準価額は9800円ですので、個別価額と基準価額の差である200円の含み損がでていることになります。
当該ファンドが1口あたり100円の分配金(収益分配金)を出すことになりました。
この場合、あなたにはまだ200円の含み損がでてます。つまり、このファンドが投資家(あなた)に提供する分配金は利益ではなく、「元本の払い戻し(特別分配金)」とみなされます。元本の払い戻しであるから、投資家(あなた)にとって、この100円の分配金は所得ではありません。よって非課税なのです。
特別分配金は元本の払い戻しとなりますので、もともとも個別元本から特別分配金の100円差し引き、分配後の個別元本は「10000円(分配前の個別元本)-100円(特別分配金)=9900円」となります。
仮に、この時ファンドが1口当たり300円の分配金(収益分配金)を出したとしたらどうなるでしょうか?結果としては、含み損部分である200円分が特別分配金となり、200円分は非課税(その代わり、あなたの投資しているファンドの個別元本は9800円にまで引き下がる。残りの100円分は普通分配金として20%の源泉所得課税が行われ、80円を税引き後の分配金として受け取ることができます。
この分配後の個別元本は9800円となります。
特別分配金になると個別元本が下がって損をする?
メールで何件かお問い合わせを頂きましたので、加筆いたします。
質問:特別分配金を受け取ると個別元本が下がってしまった。その後売却する際、買った値段よりも安い値段で売ることになったのに、譲渡益がかかると課税されました。これは何故でしょうか?
回答:譲渡益課税の計算には、売却時の基準価額と売却時の個別元本の差額で計算されます。過去に特別分配金を受けていると、分配金受け取り時の税金が非課税となりますが、その分、投資信託の取得価格が引き下げられることになります。
特別分配金が支払われる際に、本来分配金にかかっている税金が非課税となっていますので、売却時に譲渡益がかかったということは、その投資信託を買って損をしておらず、分配金込みでは利益がでている為に課税されているのです。
質問:普通分配金と特別分配金とありますが、これはどうやって決められるのですか?
回答:本文中にも書いていますが、普通分配金・特別分配金という概念は、分配金を支払う投資信託側が決めることではなく、あくまでも税務上の区分です。要するに、投資信託に投資をしていて、損をしている場合(評価損がある場合)、評価損の額の範囲内の分配金は非課税(特別分配金)になるというわけです。
ただし、特別分配金の分は、評価損が解消されたとみなされて、その分、個別元本が引き下げられることになります。
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