ファンドオブファンズは信託報酬二重取り
投資信託の種類に「ファンドオブファンズ」と呼ばれるタイプのファンドがあります。これは、投資信託が投資信託を買うというタイプのものです。簡単に複数の投資信託に分散投資することができるのですが、このファンドオブファンズには手数料面で大きなもんだいがあります。
ファンドオブファンズとは何か?
まず、ファンドオブファンズとは一体何なのか?ということについては「ファンドオブファンズ(投資信託の種類)」のページをご覧下さい。
ファンドオブファンズでは、手軽に分散投資ができる投資信託なのですが、この商品は投資信託の運用会社にとっては非常に「オイシイ」商品なのです。
どうおいしいのかを説明していきましょう。
まず、投資信託には大きく「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」という三つの手数料があります。
・販売手数料
投資信託を購入する際にかかる手数料。ゼロ円となっているものもあるその場合「ノーロードファンド」と呼ばれる
・信託報酬
投資信託の運用管理に関する手数料。保有期間ずっとかかる。運用を委託しているファンドマネージャーなどに対する報酬。
・信託財産留保額
投資信託を解約する際にかかる手数料。ゼロ円の場合もある。
重要なのは赤字にした「信託報酬」です。この信託報酬は、投資信託を管理してくれている投資信託運用会社に対して支払うものです。
この仕組み自体は、投資信託を運用してくれる会社に対しては当然そのフィーを支払うということは理解できます。しかし、ファンドオブファンズの場合にはこれだけではないのです。
具体的には、上の図のようになります。投資家が投資するファンドオブファンズには当然投資家は信託報酬を支払います。そして、その投資先であるファンドオブファンズは、その集めたお金で投資信託を買うわけです。
しかし、その場合もファンドが買うファンドに対する信託報酬の支払いが必要になるわけです。つまり、投資家は投資対象のファンドオブファンズだけでなく、そのファンドが投資しているファンドに対しても信託報酬を支払うことになるのです。
通常ファンドオブファンズが投資をするファンドは同じ投資信託運用会社が運用するファンドですので、運用会社から見れば、一つの投資信託で2つの管理報酬が貰えるという非常にお得な投資信託であるといえます。
もちろん、お得なのは運用会社から見た場合です。投資家から見た場合はどうしてもコスト高の投資信託となってしまうので注意が必要です。
すべてのファンドオブファンズが手数料割高ではない
ちなみに、ここまでファンドオブファンズは手数料が割高なお得ではないファンドという論点で説明をしてきましたが、一般的に「手数料割高となりやすい傾向がある、構造である」という点で、全部のファンドオブファンズが悪いわけではありません。
たとえば「セゾン投信」が販売している「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」などは、ファンドオブファンズ形式ではありますが、信託報酬の額はトータルで0.4935%と他の株式投資信託と比較してもかなり割安です。
「ファンドオブファンズ=悪」というわけではないので、投資信託(ファンド)を比較する場合はそれぞれのファンドの手数料水準を見極めながら判断するしかありません。
投資信託の投資において2022年現在で最もお勧めできるネット証券です。
現在は三井住友カード(クレジットカード)と連携しており、クレジットカードでの積立投資ができ0.5%〜2.0%のポイント還元があります。
また、投信マイレージという投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まる仕組みも用意されており、現在のところその還元率はネット証券の中でも最高水準です。 現在はTポイント、Pontaポイント、dポイント等とも連携してのポイント投資も可能となっています。